2009/11/26

Jeanne-Claude

Christo and Jeanne-Claude


Der verhüllte Reichstag, 1995年

「梱包の芸術家」と呼ばれるクリストは
妻であるジャンヌ=クロードと活動することにより
アートプロジェクトが現前する。

芸術は社会にとって薬にも毒にもなるとはよく言ったもので
第二次世界大戦に於いてジャズが昂揚に加担した一方
同じ音楽でも
ベトナム戦争ではロックが反戦に手を貸した。

彼の作品も批判と直面する機会が多くあるのは事実だろうし
実際、そうである。そのプロセス自体も彼らの作品論なんだから。

クリストは一人じゃなかった。
いつでも、ジャンヌ=クロードが隣にいた。
だから批判すら作品論として実行していけたのだろう。

それにしても、最近20世紀を切り開いた巨人が
消えていく
今年はレヴィ=ストロース
そして、ジャンヌ=クロード

僕らの21世紀
加速度が増す一方で 何を生み出せたのだろうか?

2009/11/16

Olafur Eliasson "Your chance encounter"

金沢21世紀美術館
11月21日(土)〜2010年3月22日(月)


「Your watercolour horizon」(部分)2009年
Courtesy:the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo
写真:Studio Olafur Eliasson © 2009 Olafur Eliasson

現代美術は
視覚的に嫌悪感を抱かせる作品も存在する一方で
Olafurの作品は
美とは?というラディカルな問いに対して
垂直に着地している印象を受けます。

坂口安吾は「桜の森の満開の下」という小説の中で

桜が満開になるとあまりの美しさ故に
桜の下から花見客を取り去ると怖ろしい景色になると
書いています。
Olafurの作品が与えてくれる体験はこのようなものかもしれません。

会期が11月21日~3月22日 

冬の金沢

春の金沢

どちらにしても 楽しみです。

2009/11/14

空気人形 ~World's End Girlfriend~



映画『空気人形』是枝裕和監督 最新作
        
空っぽな「人形」が心を持ってしまった
嬉しくて切ないラブ・ファンタジー

この宣伝文句が見事に裏切られ、主体が反転を繰り返す
ギリギリの危ない反ファンタジー でした。

音楽:World's End Girlfriend
詩:吉野弘 生命は

2009/11/13

FREE 

<無料>からお金を生みだす新戦略
著:クリス・アンダーソン
09.11.21発売



世界的ベストセラー
『ロングテール』の著者が描く21世紀の経済モデル

カテゴライズするならビジネス書になると思うのだけど
僕はデキるビジネスマンでもないので、この手の本は
ほとんど読まないwです。

だけど、インターネットを使う以上
著者が指摘するビジネスモデルに必然的に組み込まれた存在です。
世界モデルが、どのような仕組みで変化しているのか、確かめる点でも
非常に興味深い。

日本発売に先行して、徹底解説Webサイトが立ち上がっています。
もちろんTwitterとリンク!
ここで1万人限定で無料版が配布されていますが、
書いてる時点で残り5062人
かなりの人が興味を持ってるんだなぁと・・・感心です。

著者が提唱するフリーミアムは95%を無料提供して
残り5%の人にプレミアム版を買ってもらうとのこと

内容は書きませんが、面白かったです。

さぁ~
無料版を手にした5%が購入するかどうか?ですが。
1万人限定とはいえ、出版業界のタブーに挑戦したことは
すごいです。

2009/11/12

Norah Jones ~THE FALL~



Norah Jonesの新作(通常版)が発売になりました。
相変わらずの声で癒されますが、
今回のアルバムは賛否が分かれそうですね。
どうなんだろう?う~ん。

デラックス版は1月6日発売で2800円
僕はこっちを購入予定

2009/11/04

悲しき熱帯




彼の話を友達としていた、次の日に
どう考えても、それは偶然なんだけれど
死去のニュースが流れた


著書『悲しき熱帯』はレヴィ=ストロースが
1930年代のブラジルを旅行し
滞在した体験をもとに書かれた奇書で

冒頭「私は旅や冒険が嫌いだ」
「それなのに、いま私はこうして自分の探検旅行のことを語ろうとしている」
で始まる

そして最後には
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」
「ともあれ私は存在する」
と書く


文化人類学の古典的名著として有名だけど
紀行文としても、僕は崇高な紀行文だと思う

多くの人が、今、この瞬間も本書を読み返しているんだろうな

2009/11/02

不確定性原理を超える

『ハイゼンベルグの顕微鏡』
~不確定性原理は超えられるか~
著:石田茂



根っからの文系男子がこの本の紹介を書くには多少の勇気と
迷いがありますが、そもそも個人的なブログなので、
やっぱり書こうと思います。

ハイゼンベルグの不確定性原理
「顕微鏡で電子を見るという思考実験を設定した」
しかし、物質を見るには光を当てなければならないが、
電子はあまりにも軽いので光によって動きが変わってしまう。
観測が物質の状態を変えてしまうので、物質の状態を知るのは
不可能になる。それをハイゼンベルグ先生は
「物体の位置の測定誤差と測定で生じる運動量の乱れの積は
常に一定の値以上になる」とまとめた。

掛け算をした時に0になってはいけないと決められているから
誤差0の測定はできないことになる。

文系男子が要約すると、このようになる。
間違っていたなら、ごめんなさい。

本の内容は、
小澤正直やアインシュタインなどが問題を議論して終着する
までが書かれています。


学生の頃、煮詰まった時に畑違いの本をよく読みました。
読んだ当時は、物質と視覚の問題に悩んでいた時期で
僕の悩みは「無理か?」「いやいや、無理じゃない!」
「無理か?」「いやいや無理じゃない!」のループ
この本に出会って
「あっ、そもそも無理なんだぁ~」と開き直れた感じと
光の可能性が僕の前に現れた瞬間でもありました。

今日は学生仲間と集まります。
ふと思い出した一冊です。