2010/12/05

肉体のアナーキズム 

1960年代・日本美術におけるパフォーマンスの地下水脈
著:黒ダライ児  出版:grambooks
刊行日:2010/09/16


Book Description
経済の高度成長、都市の肥大化、
マス・メディアの浸透による社会の激変期
60年安保闘争とその敗北から、アングラ文化、全共闘へと至る
政治と文化の闘争に、美術家たちは、
いかに反応し、かかわり、行動し、そして、いかに忘却されてきたか・・・
膨大な資料と長年の調査によって初めて解き明かされる、
生身を武器とした、表現と抵抗の歴史!

巻末の年譜は130ページにのぼり、図版も256点収録。
資料としても圧巻のボリューム。〈出版サイト引用〉


黒ダライ児(黒田雷児)さんは60年代、日本前衛芸術の専門家
福岡アジア美術館の学芸員で「九州派展 反芸術プロジェクト(1988)」
「ネオ・ダダの写真(1993)」「集団蜘蛛の軌跡(1997)」など担当されています。
ローカル、マイナー、お下劣系のハプニングやパフォーンスに一種の日本的なものを見出し集めた研究書で、とても興味深い本です。
もっと言えば、そこに芸術そのものが存在する。花田清輝が『大衆のエネルギー』で「芸術から切り離されたアヴァンギャルドなどというものは存在しない。大衆から切り離された前衛芸術というのがないように。前衛とは大衆のエネルギーの集中的表現にすぎない」とも共通する論考です。

まだ、ざっと読んだだけなのですが、といっても768ページありますから
お正月にゆっくり読みたいです。それにしても奇書だ・・・アナーキーだ・・・。