2009/12/01

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

川上未映子著 講談社文庫



11月に読んだ本の中で、気になった本は川上未映子のエッセイ集
『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』だった。

著者初の文庫版と言うことで、書店を数件廻り、購入。
読んでみると彼女独特の文体がじわじわぁ~と心に入ってくる。
詩集も数多く出してるだけあって、
著者がどのように言葉を媒体にして世界を捉えているのかが、
読んでる僕にもイメージを連れてきてくれる。
どうにも表現しにくい感情や事象を
女性特有の皮膚感覚というより
内臓感覚で言葉にしているような気がします。

読み終わって

この本に似た印象の作品を思い出した。

『私小説 from left to right』
水村美苗 著 ちくま文庫



こちらはエッセイではなく小説なのですが、
この本もジェンダー全面で、著者にしか書けない文体で
感情の言語化に成功している。

どちらも優れた文筆家です。

この2冊は対峙するより、素直に飲み込まれた方が
楽しめる作品だと思います。